“ダウン症”と闘う子供と親の対策から学ぶ

育児・教育
  • 先天性のダウン症候群“妊娠中の予防”とは
  • ダウン症を知ることから
  • ダウン症の家庭の悩み“みんなで守る”

□先天性のダウン症候群“妊娠中の予防”とは

ダウン症候群とは、
21番目の染色体が通常は2本であるところ3本になっている染色体異常のことです。

基本的には先天性の障害として“身体的な発育”や“知的発達”に遅れが生じやすくなります。

また、妊娠中に検査を受ける事もでき、母体の血液や羊水、絨毛などを採取することで検査をします。
出生後に行う場合は、赤ちゃんの血液を採取して調べます。

通常、ダウン症は遺伝ではなく偶然に染色体の異常により起きる事と言われていますが、母親の年齢が高い場合には発症率が高くなるとも言われています。

ダウン症自体の根本的な治療は現在ないと言われていますが、

  • 若い年齢で出産すること
  • 葉酸を意識して摂取すること
  • 食事などには気を使うこと

などで一定の予防効果があると言われています。

□ダウン症を知ることから

ダウン症の合併症で最も多いといわれているのは、
“心臓の疾患”です。

ダウン症の約半数近くに見られる症状と言われており、心臓からの血液が送りにくく、長期的に経過観察をする必要があります。

また、ダウン症の合併症として自閉症も発症すると言われています。
約10割前後の発症といわれており、合併症として発生する理由は解明されていませんが、“言葉の遅れ”“感情の起伏”“感覚の過敏さ”などと向き合っていく必要があります。

ダウン症の子供たちは
医療的なケアが必要になることが多く、手術や治療により改善に向けて頑張ります。また、感染症にも弱い傾向にあり、周囲の人は風邪などを移さないことが重要です。

成人してから
適応障害やアルツハイマー型認知症などとも向き合い医療的ケアは引き続き必要になります。

□ダウン症の家庭の悩み“みんなで守る”

ダウン症は“本人”と“家族”の両方に大変な苦労をもたらします。

“子育て”は健常者であっても、大変なことですが通常の子育ての仕組みや保育などに沿って育児をすることができないため、周囲にも理解し適切な対応方法を知っている人も少ない環境にあります。

ダウン症の家族が抱える悩みとしては

  • 子どもが生まれたときのショックや混乱
    子供は大切な存在に変わりないですが、ダウン症の子供が生まれたことに対して自信を責めてしまったりと精神的な疲労は大きいものです。
  • 発達や成長に関する不安や期待
    一般的な本などに乗っている成長曲線とは違った成長になることがあり、“何が正しいのか?”不安があります。
  • 教育や仕事に関する選択
    通常の教育機関で勉強が可能な障害の度合いでも、周りとのトラブルや理解を勝ち取れるか、そして子供が大きくなった際の就労方法などについても悩み考えます。
  • 健康管理や介護
    ダウン症は免疫が弱いことが多く、健康管理を繊細に行う必要があります。また、介護が必要な場合には体力的な余裕も必要になります。
  • 社会との関わりや受け入れ
    親せきやご近所など社会に理解してもらうのも非常に重要です。だれもが正しくダウン症を理解していない中で、何が必要で何ができないことなのか、周囲も理解しようとすることが非常に重要になります。
  • 自立や将来に関する希望や不安
    親の方が先に亡くなった場合に、本当に大丈夫なのか?子供の自立に向けた課題と闘います。

これら多くの悩みと闘い育児をしていることを周囲も理解しようとすることが非常に重要です。“ひとりじゃない”ご両親も心のケアが必要で、専門家や支援団体だけでなく親戚や近所の方であっても、お互いに持ちつ持たれつ、助け合える環境が大切になります。


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